一青妙 HITOTO TAE

Essay | エッセイ・ブログ記事

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2025.07.16

人気の「那須高原ロングライド」に初参加!

自転車・ロードバイク
ゴール!

7月13日は「那須高原ロングライド」に参加するため、栃木県那須町に行ってきました。

「那須高原ロングライド」は、栃木県・福島県の広域にわたるコース設計が特徴的で、大会は2011年の東日本大震災の年に始まり、今年で13回目を迎えます。
8つのコースがあり、100kmで獲得標高約2000mのハードなロングライドから、40kmで獲得標高約400mのエンジョイライドが選べて、ヒルクライム好きからファミリー層まで一緒に楽しめるのが嬉しいです。

台湾人サイクリスト大集合〜!
いざ、出走です

私が参加したのは、今年新設された「白河そばコース」。
約65kmと走行距離は短いものの、獲得標高は約900mとなっていて、そこそこアップダウンがあるコースですが、河名物の”白河そば”が食べられるという誘惑にかられてエントリーしました。
ちなみに、能登や富山、霞ヶ浦、富士ヒルなどを一緒に走った台湾人サイクリストグループの友人たちとも、現地で懐かしい再会を果たしました。

なんか面白い絵
噂の”うなぎり”

スタートしてから10kmほどで到着した第一エイドでは、早速那須高原ロングライドの名物”うなぎり”(味付きごはんに小さくカットしたうなぎを混ぜ、おにぎりにしたもの)やバナナ、御用邸の月(カステラでカスタードクリームを包んだもの)、味噌添えのきゅうりの提供があって、みんな「豪華な朝食!」「こんなに食べきれない〜」と笑顔になります。

坂もあと一息で終わり!
追分の明神
お目当ての「白河そば」

お腹いっぱい状態でこのコースのハイライトとなる栃木県と福島県の県境の峠を登っていくと、義経伝説が残る”追分の明神”が現れ、下った先に福島県の白河の関跡が”白河そば”を食べられる第二エイドとなります。

白河といえば、ラーメンのイメージが強かったのですが、実は、信州・出雲・盛岡に並ぶ日本四大そばに数えられているのだとか。今から200年前に、白河藩主松平定信が冷害に強いそばの栽培を奨励したことが白河そば文化のルーツとなり、小さめのお皿に小分けして食べる「わんこそば」スタイルが特徴だとか。
エイドで食べた白河そばはちょうどわんこそばくらいの量で、疲れた体にお出汁の塩気がちょうどよく、うなぎりを食べたばかりだというのに、つるっと完食してしまいました。

復元工事中の小峰城
選んだのはブルーハワイ味

折り返し地点となる「白河小峰城」で提供していたのは、創業が昭和初期の野村屋のアイスキャンディー。気温が高くなってきたので、素朴な味が体全体に染み渡りおいしい。

小峰城は戊辰戦争でほとんどの建物が焼失してしまい、石垣のみが残っていたようですが、その石垣も東日本大震災で崩壊し、長い年月をかけて復興されました。
ちょうど本丸正面にあった清水門の木造復元工事が進められていて、その一部を見ることができ、完成が楽しみです。

みんなの笑顔が最高!
サイクルオアシスにあった水鉄砲
見事当選していました!
最後尾車に守られながら走りました

今回のコースは距離が短いので、各エイドステーションでゆっくりして、しっかりと周囲を観光することを目標に、余裕でゆっくりと散策していたら、いつの間にか最後尾として小峰城を出発することになり、松平定信が御祭神として祀られている南湖神社を巡り、名物のお団子を食べました。

最後のエイドステーションとなる白河市と栃木県那須町の県境の「境の明神」を過ぎ、暑さ対策に設置された「サイクルオアシス」で水を浴び、いよいよゴール。

ゴール会場にはフードやサイクルウエアの出店ブースがあるほか、豪華な景品があたる抽選会もあって、なんと那須どうぶつ王国のかわいらしい”ひざねこ”が当たりました!

ロングコースから出走していきます

那須高原ロングライドは、ダイナミックな景色と美味しいエイド食、コースの多様性、万全のサポート体制が評判を呼び、参加者数3千人規模の大人気のイベントとして成長してきたそうですが、今年の参加者は約1600人。
ピーク時の半分くらい、と聞いて不思議に思っていると、「人気が出過ぎて、ボランティアの手が回らないため、やむを得ず参加人数を抑えています」と大会関係者が教えてくれました。

エイドステーションで提供されるご当地のグルメのほとんどは、地元の人たちの手作りです。学生ボランティアの存在も大切ですが、作り手の高齢化などもあって、大会が大きくなりすぎることも、悩みのタネとなるのですね。

栃木県にはプロサイクルロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」があったり、秋にはアジア最高位のワンデイロードレース『宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース』が開催されたりと、自転車が根付いている地域です。
最後尾となった私と一緒に走ってくださったサポートライダーは、栃木県にあるブラーゼンサイクリング俱楽部に所属していらして、「地域密着型自転車サイクリングクラブで、みんなでサイクリングを楽しんでいる」と話してくださいました。

大会関係者とサポートライダーたち

イベント企画者の熱意と意気込み、賛同する人たち、地域の協力、スポンサーなど、どれひとつ欠いても成功しないサイクリングイベント。息長く続くような大会、ずっと人気を保っている大会には、それなりに強さの理由があることを再確認させられました。
多様なコースが魅力の那須高原ロングライド。次回は違うコースにエントリーして、いっぱい美味しい物を食べ、観光しにまた来たいです。

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