一青妙 HITOTO TAE

Essay | エッセイ・ブログ記事

New
2025.07.07

能登の”牡蠣”

石川県 日本

肉が好きか魚が好きかと聞かれれば、断然魚派の私ですが、特に大好物なのは貝類、そのなかでも牡蠣への愛は格別です。
全国的に有名な牡蠣の産地といえば、広島に北海道の厚岸、三陸などを思い浮かべていたのですが、最近能登半島に足を運ぶことが多く、そのたびに「能登牡蠣おいしいですよ!」「能登牡蠣食べましたか?」と言われ、「能登牡蠣」がだんだん気になり始めていました。
実際、ラジオの取材でお話を伺った能登のイタリアンやフレンチのシェフも、”能登牡蠣”を食材にしたメニューを提供したいから移住した、という人がいたそうです。

ところで、日本で主に食べられている牡蠣は大きく分けて岩牡蠣と真牡蠣の二種類があって、夏が旬の岩牡蠣は3〜4年かけてゆっくりと育ち、大きくてみずみずしいのに対して、冬が旬の真牡蠣の成長スピードはその半分の1〜2年で、小ぶりでクリーミーだと言われています。

能登牡蠣には、岩牡蠣と真牡蠣の両方があり、波が穏やかで餌となるプランクトンが豊富な七尾湾で育つので、能登を代表するブランド「能登牡蠣」として知られるようになったのです。

冬の味覚として、防寒着を着ながら牡蠣小屋で殻付きのまま一斗缶に入った牡蠣を、炭火焼きにして食べました。こうした食べ方も風情があってなかなかのもの。夏に生牡蠣を食べるのも格別です。

桜咲く春先に、特に牡蠣の養殖が盛んな七尾市中島町にある飛田水産の直営店「牡蠣テラス 波音」で牡蠣焼きや、蒸し牡蠣を食べたのですが、6月は助八水産の直営店「炭火ダイニング ike」に行ってきました。5月末で真牡蠣のシーズンは終わったとのことですが、運良く焼き牡蠣を楽しむだけでなく、出始めた岩牡蠣を生で堪能することもできました。
炭火ダイニング ikeは、奥能登の珪藻土で作った炭火コンロに能登の地酒や能登のワインも揃えているお店で、アヒージョのような洋食メニューも提供していて、バリエーションがあって助かります。

生産量は少ないものの、能登半島の”能登牡蠣”は、どこにも負けないくらい美味しい。

さあ、これからの夏に、岩牡蠣を食べに能登に行きませんか

share