一青妙 HITOTO TAE

Essay | エッセイ・ブログ記事

2023.10.16

イラストレーター・松尾たいこさんのアート展「私の色を探して」

少し前ですが、イラストレーター・松尾たいこさんのアート展「私の色を探して」に行ってきました。

私の作家としてのデビュー作は『私の箱子』ですが、その表紙を描いてくださったのが松尾たいこさん。
私と妹をイメージしたという絵には、手に箱を抱え、セミロングヘアにスカートを履いた私が、ショートカットでボーイッシュな妹と手を繋いでいます。

本を手に取ってくださった方々は皆さん——”かわいいですね””いい表紙ですね”などと言ってくださいました。
私も本当に大好きなのですが、その好きは、黒目だけの瞳に、どこか寂しさやもの悲しさを感じることができるから。

今思い返してみると、両親を失くし、姉妹二人になったあの時の感覚は、悲しみとかではなく、どこを見つめているのかわからない、松尾さんが描いた少女二人そのものだったのかもしれない……。もちろん、原画は大切に我が家に飾られています。

今回の展示には龍をはじめ、いろいろな動物が描かれていました。
私が気になったのはこの一枚。遠慮がちでありながら、何気に自己主張している鳥さん。
ひょっこりさん——とたいこさんは呼んでいました(笑)。

どれも綺麗でカラフルで、眺めていると自然と元気になるものばかり。福井で作ったというかわいらしい陶芸品もありました。
「どんどん元気になっているの!」と満面の笑みで話してくれるたいこさん。東京と福井、軽井沢の3拠点生活で創作活動に勤しみ、絵のようにキラキラしていました。
いつかまた、本の表紙を描いてもらえるよう、私もがんばらなければ!

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