2025大阪・関西万博に行ってきました〜台湾の『TEC WORLD館』開館式


富山の復興応援ライド終了後、新幹線とサンダーバードに乗り継いで大阪に行き、大阪関西万博「台湾館」の開館式に出席してきました。
このパビリオン、ちょっと複雑な経緯がありまして、正式名称は『TEC WORLD館』です。そして「玉山」という民間会社が出展しています。ですから、パビリオンには「台湾」の名前がついていません。でも、実際は台湾の政府がお金を出して、台湾のTAITRAという政府系機関が運営しています。台湾は、万博を管轄する国際機関BIE(博覧会国際事務局)に加盟できていないので、国のパビリオンを出展できません。しかし、なんとか台湾の最新事情を世界や日本の皆さんに伝えたい、ということで、こんな方式が取られたそうです。でも、「TEC WORLD」という名前、ちょっとだけ台湾を感じさせます。なぜなら頭文字をとれば「TW」になりますよね。
開館式には、台湾からTAITRAの黄志芳会長や李逸洋駐日代表、日本台湾交流協会の谷崎泰明理事長、パビリオンを施工した熊谷組の上田真社長などが出席され、さまざまなメディアが取材にきていて、とても賑やかでした。
台湾を代表するコンテンポラリー・ダンス・カンパニー「雲門舞集(クラウド・ゲイト舞踊団)」の素晴らしいパフォーマンスを見終えていよいよパビリオンの見学です。
パビリオンは——連結世界、共創未來美好生活(世界を繋いでより良い美しい未来の生活を創造する)に基づいて、“生命”“自然”“未来”の3つのセクションに分かれています。
入り口でスマートウォッチを受け取り、手に装着して最初の”生命”の会場へ。中央に大きな樹に見立てたスクリーンがあり、周囲には無数のタブレットが並んでいて、まるでお花畑のようです。音楽とナレーションに合わせてタブレットが動き、中央で人類の進化を辿る美しい映像が流れていきます。タブレットには台湾固有種の蝶が止まっていて、スクリーンをそっと指で触れると中央の木に向かって飛び立っていく仕掛けがありました。
次にエレベーターで4階の“自然”まで一気に上がると、360°の巨大なスクリーンが目の前に現れます。しばらくすると、檜の香りが漂いはじめ、スクリーンには台湾の自然が映し出され、改めて台湾の自然の美しさにため息しかでません。
歩みを進めると、今度は蘭の花が出迎えてくれます。台湾の蘭は世界的にも有名で、実は世界の約三分の一の蘭を生産しており、最新のナノテクノロジーを駆使して、白いランの花弁を染め、「EXPO2025」の文字を施した貴重な蘭が並んでいました。蘭の奥にはディスプレイがあり、蘭の花の周囲をたくさんの蝶が舞っている映像が映し出されていました。これはまだ世界に数台しかないという最高解像度の透明マイクロLEDディスプレイで、病院や企業の待合室に置かれるようになる日も近いのだとか。

すごい技術をつぎつぎと見て、心拍数が上がってきます。やや薄暗いトンネルに蛍の光を散りばめた通路を渡るとデジタルアートの展示になります。陳澄波や郭雪湖など、日本統治時代に活躍した画家の作品と現代の台湾を融合させていて、とても興味深く見入ってしまいました。
最後は“未来”の回廊へ。携帯、自動車、テレビ、冷蔵庫……私たちの生活に欠かせないもののほとんどにICチップが使われています。このICチップに組み込まれた台湾の半導体が世界でどのように役立ち、重要であるかについて、女の子とロボットの対話形式で物語は進んでいきます。ICチップがあればスマート農業、スマートヘルスケアなど、まるで魔法のような未来を手に入れられます。世界で最先端、最小といわれるICチップを作っているのが、テクノロジーの島・台湾、つまり「TEC WORLD」であるというメッセージがこめられていました。
3つの展示を見終えてスマートウォッチを指定の画面にタッチすると、“生命”“自然”“未来”の3つの展示のうち、どの展示に最も興味を示したかの測定結果を見ることができます。私がいちばん気になったのは「生命」。お勧めされた旅行先はなんと“麻豆代天府”と“安平古堡”。私が台南親善大使だということを知っているのかしら?!と驚きました。

出口には神農生活が出店していて、お土産のほかにルーロウ飯やかき氷、タピオカミルクティーなど台湾の味も楽しめます。
半導体で世界トップシェアを誇る台湾。
最先端テクノロジーが駆使された台湾の『TEC WORLD館』にみなさんもぜひいらしてください!