一青妙 HITOTO TAE

Essay | エッセイ・ブログ記事

2025.09.15

《奥能登復興サイクル100》に参加して

石川県 自転車・ロードバイク

第37回ツール・ド・のと400の翌日は、奥能登の輪島から珠洲までの約50kmを往復しました。
奥能登では、震災後初めての100人規模で実施されるサイクルイベントとなります。
サポートライダーを先頭に約10人ずつの隊列を組み、輪島の『輪島キリコ会館』を出発して、白米千枚田から奇岩が並ぶ曽々木海岸を通り、輪島の『道の駅 すず塩田村』まで、海沿いの国道249号を走ります。

隆起した海底に造られたう回路の一部区間は、緊急車両や地元の人のみの通行となっているのですが、この日は国土交省能登復興事務所の許可を得て、特別に走行することができました。崩落したトンネル、剥き出しの山肌、倒壊した家屋、山積みの瓦礫……。

今も残る震災の傷跡を目の当たりにして、言葉に詰まり、懸命に復旧、復興を進めている人々の姿に胸がいっぱいになります。
片側通行のトンネル前では、工事関係者がドリンクや飴、ゼリーを用意してくださいっていました。
一緒に走ってくださったサポートリーダーと工事関係者との間にこんなワンシーンがありました——「こうやって自転車に乗って走っているみなさんが、自分たちの作った道を走っている姿を見て、ここまできたか。復興は始まっている」と涙ぐむので、思わずもらいなきしそうになった、と。

イベント主催者側は、工事の邪魔にならないか、住民に迷惑をかけないか……などと心配しながらの企画だったと聞いていましたが、最終的には”走ってよかった””参加してよかった”という一日でした。

関係者のみなさん、ご参加くださったみなさん、本当にありがとうございました。
金沢から中能登。輪島から珠洲。少しずつですが、道が繋がってきています。さらに太谷峠、見附島、能登町、穴水から和倉へと銀輪が駆け抜けられる日を心待ちにしたいと思います。

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