一青妙 HITOTO TAE

Essay | 散文・部落格

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2025.09.29

『日月潭横断遠潭國際萬人泳渡)』に参加

台湾

9月28日、台湾で『日月潭横断遠潭國際萬人泳渡)』に参加してきました。
台湾の南投県にあり、台湾最大の湖——日月潭を泳いで渡るイベントとして1983年に始まり、今年で43回目と、台湾で最も歴史ある水泳大会として大人気です。主催発表によると、今回の参加人数は24736人。とっても大きな規模のスポーツイベントです。

早朝から「台湾のへそ」とも言われる日月潭に人々が駆けつけ、次から次へと人が湖の中に飛び込んでいき、水社村の岸壁から対岸の日月村に向かって約3キロ先のゴールを目指して泳ぎ始めます。
大会規定で必ず身につけなければならないのが”フロートブイ(魚雷浮標)”。完璧な浮き輪で、体に巻き付けたり、縦にして体を乗っけたり、首を預けて枕にしたり……その時の体の疲れ具合に合わせて使い方を変えながら進みます。
もうひとつ全員必須なものは”水泳帽”。スタート前の受付で今年のカラー(毎年変わり、今年は黄色)の水泳帽が配布されるので、それを被ります。

お菓子やドリンク、着替えなど、防水バッグに各自必要だと思うものを入れて泳ぐのですが、遊泳コースの両サイドにはほぼ500メートルごとに、大きなブイのうえにおばちゃんたちが座って食べ物や飲み物を参加者にくれるエイドステーションが設置されていて、台の上に上がって休むこともできます。
ブイにたどりついて水の中から口をぱくぱくさせていると、『飲みたい?ほれ!(想喝嗎?來~!)』『食べたい?ほれ!(想吃嗎?來~!)』と、口のなかに放り込んでくれます。
その姿はまるで餌付けされる「池の中の鯉」!!王子麺やチョコレート、鳳梨酥、北海鱈魚香絲など、各エイドステーションで配っている食べ物が違っているので、なんだか楽しくて、お腹いっぱいなのに各駅停車のように立ち寄って、パクパク食べちゃいました。

自転車で3キロはあっという間だけれども、泳ぎの3キロはなかなか遠くてゴールに辿り着きません。
プールの水泳とはやっぱり違いました。途中で手も足も止めて休んでいると、先頭で泳ぐ人を交代しながら一列に連なって泳いでいる一団と出会い、私もロープを掴んでしっかりと引っ張ってもらいました。
他にもシュノーケルをつけて泳ぐ人、バックで泳ぎ続ける人、お父さんの背中に乗りながら泳ぐ子供、缶ジュース片手に泳ぐ人、撮影しながら泳ぐ人など、参加者の年齢も泳ぐスタイルも幅広く、「疲れた〜!(我累了~!)」と言いながらも、心から楽しんでいる姿を随所で見かけ、気がつけば、ゴールゲートを前に、私も携帯で自撮りをしながら、「やったー!!!」と声をあげていました。

結局、午前10時半ぐらいから泳ぎ始めて、ゴールは13時半。3時間ほどかかりました。同じ日に75歳の馬英九前総統が毎年恒例の参加をしていたのですが、3時間を切っていたのですごいです。
スポーツは大好きだけれども、中学の臨海学校をズル休みをしたくらい、実は泳ぎは大の苦手。それでも、水は苦手だということを忘れるくらい楽しくスペシャルな体験で、泳ぐことが少し好きになれた大会でした。台湾人ならば、生涯で挑戦すべきことが3つあると言われています。(台灣人必做的3件事)1ー自転車で台湾一周(單車環島)2ー日月潭遊泳(泳渡日月潭)3ー玉山登山(登玉山)1、2ができたので、あとひとつ。

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